2017年05月17日

******記念館えぞりす食堂おしながき 森中来美 ******                   何はともあれ、クルミ、クルミ その9:記念館くるみの本数

記念館には、いったいどれくらいくるみの木があるでしょう?
今日現在、りすたちが食用にするくるみの木は、11本あります。記念館の敷地内には、川沿いにあと3本くるみがありますが、どういうわけか、そこのくるみは殆ど食べていないようです。見た目は立派な実が落ちるのですが、成分や味の問題でしょうか?りす語が分かれば、ぜひ尋ねてみたい不思議のひとつです。

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実は昨年の5月まで、りす御用達くるみは17本あったのです。ところが、昨年5月、道路ギリギリに生えていた1本が伐採され(市の判断)、今年2月には更に5本が伐採されました(台風被害が主たる理由)。1年間のうちに6本、もともとの数の3割以上を失ったことになります。これは結構深刻な問題です。

(記念館のくるみ配置図。1年間での変化にご注目下さい。薄い星印は、実の減少が見られる木。)

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幸いなことに、記念館に隣接する市民の森で、数本のくるみが実をつけるまでに成長しているようです。今後の頼みの綱です。植樹してくださった方々に感謝するとともに、今後もりすたちが生息できる環境が守られるよう願っています。これらのくるみは植樹から10年以上経過しているそうです。失うのは一瞬でも、取り戻すのには長い年月が必要ですね。

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(市民の森のくるみの赤ちゃん。2016年6月21日撮影)
☆次回は記念館のくるみの種類についてお話します☆

posted by 管理人 at 23:12| 森中 来美

2017年02月27日

******記念館えぞりす食堂おしながき <番外編> 森中来美 ******

記念館 樹木剪定伐採に思うこと 〜「都合の良い自然」に欠けているもの

注、沢山の写真も、

まちづくりのコーナーに掲載しています。ご覧ください。

posted by 管理人 at 20:04| 森中 来美

2017年02月02日

******記念館えぞりす食堂おしながき 森中来美 ******

何はともあれ、クルミ、クルミ   その8:貯食スタイルに見るりすたちの社会性

一生懸命くるみを隠すりすたちを見て「あんなに隠したってすぐに忘れちゃうんだから、バカだよなぁ」と笑った男性がいました。

りすたちのくるみ隠し(私は”仕事”と呼んでいます)を観察していて、あることに気づきました。当然のようですが、隠し終わるまで(または食べ終わるまで)そのくるみが誰のものかはりすたちにとってとても重要なことです。一つのくるみをめぐってちょっとした小競り合いが起こったりもします。

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(隣のくるみは美味い? この直後に右のりすのくるみは左のりすに取られてしまいます)

それでは、隠し終わったくるみはどうでしょうか?やはり、隠したリスのものでしょうか?

面白いことに、隠されたくるみは誰がもらっても良いのです。本人はもちろん、ライバルだろうがよその子リスだろうが関係ありません。せっかく頑張って確保したはずのくるみなのに、隠し終わったとたん所有権を放棄する(忘れる、というのとはチョット違うようです。時々思い出したように取りに行くこともありますから。)というのですから、相当のアッサリさんです。他のりすがすぐ掘り起こしてまた別の場所に隠す、そしてまた他のりすが・・・ということも日常茶飯事で、こうやってくるみが方々に分散されます。

くるみがあちこちに分散することによって、力のあるりすだけでなく下位のりすにも食料を獲得する機会がもたらされます。また、知らないうちに遠く未来の子孫のためにもなることも・・・(食べられなかったくるみが芽吹いて次世代の森を形成する)。りすたちは、おそらく何も意識しないでやっているのでしょうが、いつの間にか仲間全体のため、更には森のためになっているのですから、素晴らしいエコリスト?ですね。
同じく木の実を貯食するシマリスやネズミと比較すると、りすたち(エゾリス)の貯食スタイルは特徴的です。シマリスやネズミは獲得した木の実をもっぱら自らの巣に運んで消費しますので、自身のための貯食になります。一方エゾリスはそれぞれが貯食したものを共有するスタイルです。貯食にはエネルギー消費(運搬・穴掘り等)と被捕食リスク(地上行動)が伴うという条件は皆同じですが、その成果の利用方法は大きく異なるようです。基本的に単独生活者であるエゾリスがこのような貯食スタイルを取るのは大変興味深いことといえるでしょう。

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(満足げにくるみを掘り起こした)

りすたちは力の差はありますが、例外なく勤勉です。そしてとても独立していて、好き好きにくるみの仕事をしています。でも、持ち前のアッサリさで利益を囲い込まないので、個々の活動がいつの間にか仲間全体のためになっているのです。これはある意味、とても合理的で成熟した社会システムといえるのではないでしょうか?
かわいらしい姿をしながら、そのような本質的賢さと強さを持つりすたちに私はすっかり心を奪われています。これが本当のりす”馬鹿”です。

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☆次回は記念館のくるみの樹のお話を予定しています☆

posted by 管理人 at 17:41| 森中 来美

2016年11月20日

******記念館えぞりす食堂おしながき 森中来美 ******

何はともあれ、クルミ、クルミ   その7:くるみ隠しワザ

りすたちは、運んだくるみをどのように隠しているのでしょうか?その方法は2通りあります。

@スタンダードコース:地中に埋める

これは最も一般的な隠し技です。任意?の場所に運んだら、軽く前足で地面を掘り、そこへ体全体の力を使ってくわえたくるみを押し込みます。その後、嬉しそうにしっぽを高く上げながら前足で土や落ち葉をならすようにペタペタします。これで完了。地面堀りからの所要時間はだいたい8秒くらいでしょうか。

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任意の場所へ運び

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体全体で押し込み

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ぺたぺた整える

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押し込み方もいろいろ(踏ん張った後ろ足にご注目!)

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ぺたぺたもいろいろ

りすが埋め終わるのを見届けてすぐに掘り出してみようとしましたが、不思議とこれがなかなか見つかりません。思った以上に深く埋められており落ち葉も上手にかぶせてあります。見つけられるのは嗅覚で探せる動物くらいでしょう。

ちなみに、埋める場所を決めるスピードや、ペタペタ仕上げの入念さには個体差があり、りすの性格や気分が現れているように感じます。

それから、ひとつ気になっていることは、埋めようとしては途中でやめ、また少し離れたところで埋めようとしてはやめ、ということを繰り返すことがあります。これは記念館、特に芝生や栗の木周辺の地面が来訪者の踏圧や、まめな落葉清掃により栄養不足で堅くなってしまっているためではないかと推測しています。個人的には、もう少し落ち葉が残っているのも風情があり、土や植物の健康のためにも良いのではないかと思っています・・・。

Aアドバンストコース:枝の間や幹のくぼみにはめ込む

こちらの技は、多少熟練が必要です。丁度良い塩梅の枝ぶり、くぼみを見定めないと、くるみはすぐにポロっと落ちてしまいます。やり直しもしばしばで、一粒隠すのに要する時間も結構なものです。

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そのように苦労して隠したくるみですが、時にカラスに持っていかれることがあります。カラスは視力も良いのでしょうが、少し離れた場所でりすの動きを観察していて、後から探しに来る周到さを持っています。それでもりすが樹上にくるみを隠しておくのは、根雪になって危険な地表に降りなくても良いように、また地面が凍結して掘り出せなくなるリスクを回避するためではないかと考えています。冬でも葉の落ちない針葉樹が隠し場所に好まれるので、りすの出待ち?をする時にでも注意深く探してみてください。

☆そろそろクルミの章も佳境に入ります。次回は貯食スタイルに見るりすたちの社会性について。気取った?タイトルですが、私がりす大好きになった所以でもあります。どうぞお楽しみに☆

posted by 管理人 at 23:25| 森中 来美

2016年10月23日

******記念館えぞりす食堂おしながき  森中来美 ******

何はともあれ、クルミ、クルミ その6:りすは意外と力持ち

10月も下旬に入り、りすたちの耳のふさ毛も伸びてきました。見た目の可愛さも一段と増すこの季節、くるみをくわえて一生懸命走っている姿をよく目にします。これは、さしあたってすぐに食べる必要のないくるみを、思い思いの場所に隠しにいっているのです。この行動を貯食といいます。

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通常は果肉を剥いて(7月9日の記事参照)、軽くしてから運ぶことが多いです。しかし自他共に認める実力ナンバーワンのりすは果肉付きの重い洋ぐるみをそのまま持っていきました。私たちにしたら、ハロウィンの大きなカボチャをくわえて運ぶようなものですから大変なことです。
実はこの貯食行動、先月お伝えした道路横断頻発の理由の1つになっています。

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りすは道路を横切って、想像以上に遠くまでくるみを運んでいます。記念館周辺の住宅地や商業地にも、しょっちゅうくるみを隠しに行きます。

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私が追跡した例では、くるみ(果肉無し、殻と仁で約9グラム)を持って150mくらいを移動しました。350グラムのりすにとって9グラムのくるみは体重の約2.6%にあたりますので、体重55キロの人間に換算すると約1.4キロの荷物です。距離としては、りすの歩幅は人間の半分以下ですが、大雑把に倍の300mになるとしましょう。更に道中は起伏あり、障害物ありときています。それを日に何回も連続してやっているのですから、相当な運動量であることが想像できます。運動嫌いな私にとっては、これだけでも尊敬に値します。りすたちは、小さな体の中にとても大きなパワーを持っているのです。
☆次回はくるみ隠しのワザをお伝えします☆

【餌付けについて A】

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あちこちの木の根元に置かれたヒマワリの種。

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カラスが食べにきている。


私が餌付けを良しとしないのは、前にもお伝えしたとおり人間と野生動物の適切な距離が保てなくなり、りすを危険にさらすから、というのが一番の理由です。しかし他にも困ったことがあります。まず、餌付けに外から持ち込まれたものはいずれゴミとなります。一番多いのはヒマワリの種ですが、殻や食べ残しが散乱し見た目も汚くなります。そして、置いていった人は決まって後片付けをしないのです。放置ヒマ種目当てにカラスもやってきます。現場を見た他の人が真似をします。こうして悪循環が発生します。

絶対にやめてほしいのは人間用に味付けされたナッツなどです。これらの塩分、糖分の高い食物はりすにとっては百害あって一利なし、健康被害を生じさせる危険なものです(これらについては、見つけ次第処分させてもらうようにしています)。ヒマ種も、ほんの少し食べる分には大丈夫かとも思いますが、常食するとなると何かしら健康に影響がでてくるかもしれません。農薬や遺伝子組み換えの問題もありますし、もともと、野生で食べるものではないのですから。

りすを可愛いと思う気持ちは同じだと思うので、餌付けする方を頭から非難したくはないのですが、自分の尺度と思い込みだけでなく、正しい知識と理解をもって責任ある行動をとっていただければと願っています。

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散乱した殻。芝生や枯葉に絡み付いて片付けにくい。

posted by 管理人 at 23:00| 森中 来美
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